聞き違い
リックのママは、リックが可愛がっていた犬のパップが車にひかれて死んでしまったのを、
どういうふうにリックに伝えたらいいか困ってしまった。
やがて、リックが学校から帰ってきた。彼女はしばらく他のことを話してごまかしていたが、ついに避けられないときが来た。リックがたずねた。
「パップはどこ?」
「それがね、車にひかれて死んでしまったのよ」彼女はこわごわ言った。
「おや、そうなの」リックが言った。そして口笛を吹きながら遊びに出かけた。
夕食のときにリックがたずねた。
「ねェ、ママ、パップはどうしたの」
「あら」母親が言った。「お昼に話したでしょ。パップは車にひかれて死んでしまったって」
少年は泣きじゃくった。
「どうしたっていうの」母が言った。「お昼に言ったときには、ちっとも気にしなかったくせに」
「だって」リックがすすり泣きながら言った。「ぼくはパパのこととばかりだと思っていたんだもの」
(2007・11・19)
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